【映画】ミッドサマー ディレクターズカット版 観てきた。【75点】
話題の新感覚(?)ホラー映画観てきました。
ネタバレは殆どありません。
先に予告映像をば。1:43~を観るといいかも。
https://www.youtube.com/watch?v=91ToYfHGSJ8
1.あらすじと登場人物(ざっくり)
5人の大学生がスウェーデンのホルガの夏至祭*1へ行ってグロいことになる話。
ダニー : 女学生。不安定。恋人のクリスチャンと上手くいっていない。
クリスチャン : ダニーの彼氏。卒論テーマに悩み中。飲み物の色。
ジョシュ : 黒人。卒論鋭意制作中。ペレの故郷に関心。
マーク : 悪ガキ。しょんべん小僧。
ペレ : 穏やか髭男。故郷ホルガへ仲間を誘う。
ホルガの人々 : 白服。穏やか。主人公たちとは異なる常識を持つ。
2.ルーン文字の意味が分からなかった
登場人物の衣服や戸、会食の配置、モニュメントなど、あらゆる所にルーン文字があったので、「意味が分かればなー」と思いました。残念ですが本編中にルーン文字解説は一切ありません。序盤、学生仲間のジョシュが手持ちのルーン解説の本を話題にしたり、手帳にメモっていたので、多少は謎解きをしてくれるのかな?と期待してたけれど…。
下記サイトで丁寧に解説してくれていました。
(漁火 様のnote)オススメ
https://note.com/isaribi_review/n/n1c85ba88b707
(ひーちゃんの好奇心 様)
https://mehl-speise.com/runes-considerations/
「謎は極力その映画の中で意味が分かるべき」だと思っているので、その点ミッドサマーのルーン文字要素は、素養のない自分にはイマイチでした。
3.(ネタバレ含)主人公は解放されたんだと思う
ラストで、主人公ダニーはクリスチャンを見捨てて笑います。
主人公は「見捨てられたくない」と思っていた一方、見捨てる側に回ったところ、開放感があったのかなーと思いました。
序盤、主人公は妹に振り回され、彼岸へ渡った家族に置いて行かれて、より不安定になる。中盤、闇夜*2にクリスチャンらが車で去り、置いて行かれる悪夢をみる。等々の描写から見捨てれらることがダニーにとっての最大級の恐怖であることが伺えたので、この結論となりました。
なお、wikipediaでは下記の通りでした。アウチ…><。
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本作のラストシーンについては様々な解釈がなされているが、アスター監督は「ダニーは狂気に堕ちた者だけが味わえる喜びに屈した。ダニーは自己を完全に失い、ついに自由を得た。それは恐ろしいことでもあり、美しいことでもある」と脚本に書き付けている
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4.異文化集団こわひ~
あと感じたのは、「単純に集団って強いなー」ってことでした。「ホモサピエンスの強味のひとつは、『虚構』を信じられたこと」との言説を再肯定したくなります。
主人公たちの虚構(常識)と異なる虚構(常識)を信じるホルガの人々に対して、少数の主人公は(生存競争において)弱者とならざるを得ない。この構造、展開に対して、動物的な恐怖感や、常識に守られた平穏を蔑ろにされるような不安感を感じました。ホルガの人々がスウェーデン語を話し、意思疎通に多少不便するってのが結果的に良かったと思います。
常識を共有するが故に人は集団になれるが、一方でその常識を共有できないモノに対しては動物的にならざるを得ない。
余談ですが、最近、ディープラーニング等で「人間の性能」を考えさせられたり、新型コロナ騒動で「生物としての人間」を考えさせられたので、より上記のように感じるのかもしれません。人は「人間=神と獣の中間」と考えがちだが、結局、「人間=獣」なのだってやつです。「一人称以外からも考えたい」ってことでもある。 その一人称に虚構がふんだんに含まれてるので。
5.面白いものが観れてよかった
いい映画でした。テンポよく、観ていて飽きさせない展開、演出、伏線があり、何より異様な感覚を味わえるという点で面白いものが見れたなーという感想です。
自分の重視する要素、視点の反転・広がりとかがなかったので、衝撃がなかったという点でちょい評価が下がりしたが、作り込みがすごいので、2度3度鑑賞すればより楽しめると思います。
最期に一言。
閨にて親族のBBAに同席された上ハモられたらボクならしんどい。